Q & A

  【質問1】

  中国の特許法(専利法)では、特許権者が複数からなる共有の特許権について、他の者へ特許実施許諾する場合、共有の特許権者全員の承諾が要るのか、あるいはひとりの特許権者の承諾だけでできるのか?この点中国特許法には明文の規定がないと思えます。

  答:特許権者全員の承諾が必要です。

  廃止された「技術契約法実施条例」第六十七条には「 当事者は共有する特許について実施許諾契約を結ぶ場合、他の共有者の同意を得なければならない」とありました。現在適用されているのは、「最高人民法院 「民法通則」の全面的執行過程における若干の問題に関する意見(試行)」第89条、「共同共有人が共有財産に対し共同権利を有し、共同義務を負う。共同共有関係の存続期間内に一部分共有人が共有財産を独自に処分する場合、一般には無効とする。但し、第三者が善意して有償で取得した場合、第三者の合法的権益を擁護すべきである;他の共有者の損失について、独自に共有財産を処分した人が賠償しなければならない」。

  【質問2】

  中国における国外への第一国出願に関する制約について、第20条では、中国に第一国出願する必要がある旨が記載されているが、何らかの手続きをすれば日本に第一国出願することが可能でしょうか。現地発明を中国語にて明細書作成した場合、日本人がチェックできないため、日本語で作成し、日本に出願したうえで、中国に第二国目の出願をすることも可能でしょうか?

  答:法律上中国に第一国出願する必要があります。これを違反した場合、特許法には処罰条項はありませんが、国の安全又は重大な利益に関わる発明ですと「技術輸出入管理条例」 (第31条)や「対外贸易法」(第16条、第17条)などの関連規定に注意する必要があります。

  もし日本人がチャックできるためだけでしたら、PCTルートを利用し中国専利局をPCT受理官庁にすれば英文明細書も受理してくれます。

  【質問3】

  プログラムクレームはまだ認められていませんが、装置(システム)や媒体としてまとめれば登録される可能性はありますか?

  答:装置(システム)はOKですが、媒体は認められていません(物理的変化が必要)。

  【質問4】

  上位概念の先行発明と、その上位概念に包含される下位概念の発明がそれぞれ中国で出願され、下位概念の発明に選択発明としての進歩性が認められて、両者とも特許された場合、下位概念の範囲が、上位概念の特許の権利範囲から除外されることはありますか。すなわち、両者の重複部分は先行発明の発明未完成部分であると考える、いわゆる「穴あき説」が中国で採用されることがありますか。あるいは、重複部分については、いずれの権利者も相手の許諾なしには実施できず、現在の日本と同様に利用関係が生じるのでしょうか。

  答:現在の日本と同様に利用関係が生じると考えます。

  中国では、はっきりした定義はまだありませんが、通常我々はこの先行発明を「基礎専利」と言い、選択発明又は改良発明を「従属専利」と称する。「基礎専利」の特許権者の許諾がなく、その「従属専利」を実施することは特許侵害行為となります。同じく「基礎専利」の特許権者がその特許を製品化する際に、「従属専利」の制約を受けます。

  参考法規:

  北京市高級人民法院「特許権侵害判断の若干の問題に対する意見(試行)」の通知第30条「

  被疑侵害製品(製品又は方法)が、先行専利の技術に対して改良された技術案であり、特許権を得た場合、従属専利になる。先行専利の権利者の許可を得ない従属専利の実施は、先行専利の保護範囲に含まれる」。

  【質問5】

  審査意見通知書の応答時に行う補正において、特許法33条の規定に違反するような補正(新規事項)は拒絶理由となるのか?それとも補正命令となるのか?⇒実施細則53条(4)によれば、拒絶理由になると思われるが、審査指南5.2.1によれば「補正命令」が通知されるとも思われる。

  答:実施細則第51条第3項によりますと、審査意見通知書の応答時に行う補正は通知書の要求に基づいて行わなければなりません。補正内容の一部分は実施細則第51条第3項の規定に違反する場合、拒絶理由通知書が出されます。補正内容はすべて実施細則第51条第3項の規定に違反する場合、“修改文本不予接受通知书”(補正受け入れしない通知書)が出されます。(審査指南第2部分第8章5.2.1の最後の2段落)

  注:実施細則第51条第3項

  出願人が国務院特許業務部門が発行する審査意見通知書を受領した後特許出願書類に対して補正する場合は、通知書の要求に基づいて補正しなければならない。