上半期、中国の経済情勢は安定しており、さらに喜ばしいことに、経済構造の戦略的調整にプラスの変化が現れ、戦略的新興産業とハイテク産業は相対的に速い成長を保ち、新経済の発展・新エネルギーの創出が加速し、イノベーション主導型発展、産業の構造転換と高度化、就業の安定・維持に対しプラスの作用を発揮している。
第1に、新興産業がけん引し支えている強みが際立っている。上半期、戦略的新興産業増加値は前年同期比11%増で、全国規模以上の工業を5ポイント上回り、うち第2四半期は11.8%増で、第1四半期に比べ1.8ポイント速まった。一定規模以上のハイテク製造業の増加値は前年同期比10.2%増で、一定規模以上の工業に比べ増加値が4.2ポイント速まった。ここ5か月で、一定規模以上のハイテク製造業の利益総額は前年同期比17.1%増で、同期の工業と比べ10.7ポイント高い。27の戦略的新興産業重点モニタリング業界の一定規模以上の企業の利益の増加速度は15.9%に達し、前年同期と比べ1.5ポイント高く、同期の工業と比べ9.5ポイント高くなっている。
第2に、ハイテク産業投資のけん引的役割が際立っている。上半期ハイテク産業分野の集積回路、民間用空間インフラ、遺伝子プロジェクトなど一群の重大プロジェクトに着手し、ブロードバンドなど情報インフラの建設を積極的に推進している。上半期、ハイテク産業投資1兆5,622億元で、13.1%増、全投資額に比べ4.1ポイント高く、全投資の6%を占め、前年同期に比べ0.2ポイント高まった。そのうち、ハイテクサービス業投資は5,811億元,前年同期比16.4%増であった。民間ハイテク製造業への投資は活発である。上半期、登録類型が私営のハイテク製造プロジェクトへの投資は15.9%増、すべての民間投資に比べ13.1ポイント速い。
第3に、社会全体のイノベーション・起業の熱が高まり続けている。共産党中央国務院は「国家イノベーション主導型発展戦略綱領」を発表し、8つの全面的イノベーション改革モデル地区の実施法案が国務院で批准されており、イノベーション駆動の各改革への取り組みをさらに推し進め、社会全体のイノベーション起業への意欲を効果的に刺激した。今年以降、大衆創業・万衆創新(大衆による起業・万人によるイノベーション、双創)事業は引き続き新たな局面を切り開いている。国務院は「大衆創業・万衆創新モデル拠点の建設に関する実施意見」を発表し、初めて双創モデル28拠点の建設が決定した。「2015年中国大衆創業・万衆創新発展レポート」が正式に発表された。各種市場主体と起業への投資は引き続き急速な成長を見せている。上半期、全国の新設市場主体は1日平均で4万を超え、新たに登記される企業は1日平均で1万4,000社となった。国内の特許付与数は16万4,000件で、前年同期比41%増となった。上半期、起業投資新募集基金投資総額は57%増で、新三板(店頭登録)市場では2,559社の企業がまた新たに上場し、より多くの起業投資の迅速な撤退のためにルートを提供した。2016「創響中国(イノベーション・チャイナ)」など一連のイベントで双創の世論誘導、双創の環境最適化、双創の理念伝播、双創の活力向上を強く打ち出した。
第4に、新経済の安定した成長が就業を促す作用が顕著に現れている。インターネット+人工知能、インターネット+現代農業など3年行動計画が相次いで公布、実施され、新興業態は発展を加速しており、情報経済の規模も絶えず拡大している。上半期、全国ネット販売額は2兆2,000億元を超え、前年同期比28.2%増となった。新経済の発展による税収、就業などの面への貢献が顕著になり始めた。上半期、宇宙設備製造、医薬品製造の税収はそれぞれ11.1%増、12.2%増で、ソフトウェアと情報技術サービスの税収は39%増で、第三次産業の税収の比較的速い増加をけん引する重要な力となっている。2015年、戦略的新興産業の上場企業の所得税は前年同期比16.8%増で、上場企業全体を10.9ポイント上回った。また、オンラインとオフラインを結び付ける「インターネットプラス」、供給経済の新モデルの力強い発展は、便利な生活、雇用先確保、起業の支援などの面への顕著な貢献が見られ、また生産生活分野への拡大を加速している。
第5に、新興産業が地域成長の新エンジンとなっている。国内の一部地域ではイノベーション主導型発展を重視したことにより、新興産業の発展における分布が比較的速く、下降の圧力が普遍的に強まる状況においても、依然として安定成長を維持し、構造調整の情勢も良好である。例えば、近年、深センではイノベーションを大いに支援、推進し、戦略的新興産業の付加価値は年平均で20%以上の伸びを示しており、同期GDPの成長速度の2倍となり、2015年のGDPに占める付加価値の割合は40%に達し、高い起点での持続的で高い質の成長を実現し、「深センで加工―メイドイン深セン―深センのイノベーション」の重大な転換を実現し、現地の経済に新たな成長のためのエンジンを打ち立てただけでなく、さらに周辺地域の経済モデルの転換による発展にけん引的役割、模範的で連動的な作用を発揮している。今年上半期、深センのGDPは8.6%増で、全国平均水準を1.9ポイント上回り、財政収入の増加速度はさらに24.6%高くなった。
第6に、対外貿易構造にプラスの変化が現れた。国際市場の低調な動きが続く影響を受け、上半期、中国のハイテク製品の輸出額は前年同期比7.9%減(ドル換算)で、主に加工貿易の落ち込みが速かったが、一般貿易は依然として安定成長の情勢を呈している。一部の高付加価値製品の競争力は強く、集積回路の輸出は2.9%の小幅な伸びを見せた。また、中国のサービス輸出のうち、ハイテクサービスの輸出の割合は増加し続けている。上半期、中国の企業のオフショア情報技術のアウトソーシング、業務フローのアウトソーシング、知識フロー程のアウトソーシングの実行額はそれぞれ934億9,000万元、320億2,000万元、706億1,000万元で、前年同期比でそれぞれ7.5%、26.9%、6%増となり、それぞれ全体の47.7%、16.3%、36%を占めた。クロスボーダーeコマースがサプライチェーン管理サービス、データ処理、ネットマーケティング普及サービスの急速な成長をけん引し、業務フローのアウトソーシングの急速な発展を促した。(出所:発展改革員会ウェブサイト)
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