「シェア電動バイク」行政権力の濫用による競争排除・制限事件

2025-09-25

 事件の概要

 杭州青某公司(以下、「青某公司」という)はオンライン自転車レンタルサービス事業者である。同社は、某市行政審査認可サービス局(以下、「某行政審査認可局」という)、某市ビッグデータセンターが当該市においてシェア電動バイクのフランチャイズ経営を違法に設定し、かつ実施していることが、行政権力を濫用して競争を排除・制限する行為に該当することを理由に、行政訴訟を提起し、この具体的な係争行政行為の取消しを請求した。一審法院は青某公司の訴訟上の請求を棄却する旨の判決を下した。青某公司はこれを不服として、控訴した。

 最高人民法院は二審で、某行政審査認可局、某市ビッグデータセンターが当該市のシェア電動バイク分野においてフランチャイズ経営権を設定し、かつこれを某市交某智慧城市開発有限公司(以下、「交某公司」という)に付与したが、実はシェア電動バイクのフランチャイズ経営権を設定し、付与することは、行政機関が行政権力を行使して取引を限定することに該当し、合法性と合理性に欠けており、かつ競争を排除・制限する効果があり、独占禁止法で禁じられている行政権力を濫用して競争を排除・制限する行為に該当すると判断した。某行政審査認可局が当該市のシェア電動バイク分野においてフランチャイズ経営権を設定することには、法的根拠がなく、職権の範囲を逸脱しており、かつ本件証拠では係争行為の取消しが国の利益と社会公共の利益を損ねることを証明するには不十分であり、係争行政行為は取り消すべきである。したがって終審判決において、一審判決を取り消し、某市のシェア電動バイク分野においてフランチャイズ経営権を設定し、かつそれを交某公司に付与した行政行為を取り消す旨に判決内容を変更した。

 典型事例の意義

 本件は最高人民法院が初めて行政権力の濫用による競争の排除・制限を認定した事例であり、行政権力の濫用による競争の排除・制限の認定基準を明確化し、行政権力を濫用して競争を排除・制限する行為を法により規制し、真の意味での市場参入の自由化を推進し、全国統一市場の構築を踏み込んで推進し、市場の活力を高める上で重要な意義がある。

 (事例の出所:最高人民法院が発表した2025年人民法院の独占禁止に関する典型事例)

 

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