ドイツ・力魔(LIQUI MOLY)社の代理として偽造潤滑油に対抗、中山法院の支持を受け、70万元(約1,400万円)の賠償金を獲得

2024-05-14

 集佳が代理を務める力魁魔力有限責任公司(以下「ドイツ・力魔」という)と、保力克潤滑油(珠海)有限公司(以下「保力克」という)らによる商標権侵害および虚偽宣伝による不正競争紛争事件において、先日、広東省中山市第二人民法院は次のように審理、認定した。保力克公司らが「潤滑油」「エンジンオイル」などの製品に「 」、「 」、「 」の標章を使用する行為は、ドイツ・力魔の登録商標「 」、「 」、「力魔」の専用権を侵害している。また、保力克公司は、被疑潤滑油とエンジンオイルに対し、ドイツから輸入されたものと称し、パッケージにドイツの国旗と「GERMAN TECHNOLOGY」の表現を使用しており、これは虚偽宣伝による不正競争を構成するとし、70万元の賠償を命じる判決を下した。

 事件の概要

 1957年に設立され、ドイツのウルムに本社を置くドイツ・力魔は、高品質の潤滑油、エンジンオイル、添加剤、カーケア製品などを手がける世界的に有名なメーカーであり、世界130以上の国・地域で販売されており、また、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン、オペルなどの有名自動車メーカーの認証を受けている。ドイツ・力魔は2005年に中国本土の市場に進出し、カーラリーなどのスポーツイベントのスポンサーを長年務めたほか、「自動車グラフィック年間トップブランド」「カーテック杯自動車サービス金勲賞」「自動車サービス世界推薦ブランド」など、業界で影響力の高い賞を受賞している。「 」、「 」「力魔」の商標は、業界内できわめて高い認知度と名声を誇っている。

 被告の保力克公司は、「 」「 」「 」の標章が付された潤滑油、エンジンオイルなどの製品を生産、販売し、WeChatミニプログラム、オフライン提携店舗などを通じて販売していた。(以下複数画像に示すとおり)

     

 裁判の観点

 商標権侵害の認定に関し、広東省中山市第二人民法院は次のように審理、認定した。「 」「 」「力魔」の商標は高い知名度を有しており、被疑標章の「 」「 」「 」と権利商標は、配列構造、文字構成、吹き出し、背景色、視覚効果、中国語の意味などにおいて類似しており、潤滑油の同一商品に使用されることにより、関連公衆に両当事者の製品が同一主体の一連の商標に由来するものであり、または特定の関連性があるとの誤認を容易に生じさせるものであり、その結果、誤認・混同を生じ、商標権侵害を構成するとして、保力克公司らに対し、被疑権利侵害行為の即刻停止を命じる判決を下した。

 虚偽宣伝による不正競争行為について、法院は次のように判断した。保力克公司は、被疑潤滑油とエンジンオイルに対し、ドイツから輸入されたものと称して、パッケージにドイツの国旗と「GERMAN TECHNOLOGY」の表現を使用しており、保力克公司が製造・販売するエンジンオイル、潤滑油のブランドや技術などがドイツ由来のものであると関連公衆に容易に誤解を生じさせるものであり、真正性や客観性に欠け、一般の関連公衆に対し、宣伝された商品やサービスについて誤った認識や誤解を与えることになり、虚偽宣伝による不正競争行為を構成する。

 賠償額について、法院は、保力克社らの権利侵害行為の性質、主観的過失の程度、権利侵害期間、事案の帰結、およびドイツ・力魔の商標が市場に与える影響の大きさ、知名度などの要因を総合的に考慮し、経済的損失と合理的な支出で合計70万元とすることを決定した。

 事件の意義

 本件を通じて、集佳はドイツ・力魔公司に協力し、市場に出回っている偽造潤滑油製品を取り締まり、中国市場におけるドイツ・力魔の知的財産権を保護することに成功しただけでなく、偽造製品の購入により消費者が受ける経済的損失を回避させることにも成功し、本件には何よりも知的財産権の保護に対する中国政府の取り組みと努力が結果に反映されており、国際企業が中国に投資するための、より安定した透明性の高い法的環境の創出を実現した。

 

相关关键词