2004年11月2日最高人民法院裁判委員会第1331回会議、
2004年11月11日最高人民検察院第十期検察委員会第28回会議にて採択
本解釈は2004年11月2日最高人民法院裁判委員会第1331回会議、2004年11月11日最高人民検察院第十期検察委員会第28回会議にて採択され、2004年12月22日より施行する。
法律に基づき、知的財産権を侵害する犯罪行為を処罰し、社会主義市場経済秩序を維持するため、刑法の関連規定に基づき、知的財産権を侵害する刑事事件の処理についての具体的な法律適用に関する若干問題につき、下記のとおり解釈する。 第一条 登録商標の権利者の許諾を得ずに、同一商品にその登録商標と同一の標識を使用し、下記に掲げる情状の一つがある場合には、刑法第二百一十三条規定の「情状が特に重大であるもの」にあたり、登録商標虚偽表示罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、合わせってもしくは単独に罰金を処する。
(一)不法経営の金額が5万元以上又は違法所得の金額が3万元以上の場合
(二)二種類以上の登録商標を虚偽表示し、不法経営の金額が3万元以上又は不法所得の金額が2万元以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合
下記に掲げる情状の一つがある場合には、刑法第二百一十三条規定の「情状が特に重大であるもの」にあたり、登録商標虚偽表示罪として、三年以上、七年以下の有期懲役、且つ、罰金を処する。
(一)不正経営の金額が25万元以上又は違法所得の金額が15万元以上の場合
(二)二種類以上の登録商標を虚偽表示し、不正経営の金額が15万元以上又は違法所得の金額が10万元以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合 第二条 虚偽登録商標と知っているにもかかわらず販売し、販売金額が5万元以上である場合は、刑法第二百一十四条規定の「金額が比較的に大きい」にあたり、虚偽登録商標商品販売罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、且つ合わせてもしくは単独に罰金を処する。
販売金額が25万元以上である場合は、刑法第二百一十四条の「金額がきわめて大きい」にあたり、虚偽登録商標商品販売罪として、三年以上、七年以下の有期懲役、且つ、罰金を処する。 第三条 他人の登録商標の標識を偽造、無断で製造し、又は偽造、無断で製造した登録商標の標識を販売し、下記に掲げる情状の一つがある場合、刑法第二百一十五条の「情状が特に重大であるもの」にあたり、登録商標の標識不法製造、不法販売罪として、三年以下の有期懲役、拘留又は管制、且つ合わせてもしくは単独に罰金を処する。
(一)他人の登録商標の標識を偽造、無断で製造し、又は偽造、無断で製造した登録商標標識の販売数は2万
(二)二種類以上の他人の登録商標の標識を偽造、無断で製造し、又は偽造、無断で製造した登録商標標識の販売数が1万件以上、もしくは不法経営金額が3万元以上、又は不法所得金額が2万元以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合
下記に掲げる情状の一つがある場合、刑法第二百一十五条の「情状が特に重大であるもの」にあたり、登録商標標識不法製造、販売罪として、三年以上、七年以下の有期懲役、且つ、罰金を処する。
(一)他人の登録商標の標識を偽造、無断で製造し、又は偽造し、無断で製造した登録商標標識の販売数が10万件以上、もしくは不法経営金額が25万元以上、又は不法所得金額が15万元以上の場合
(二)二種類以上の他人の登録商標の標識を偽造、無断で製造し、又は偽造、無断で製造した登録商標の標識を販売した標識の量が5万枚以上、又は不法経営金額が15万元以上もしくは不法所得が10万元以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合 第四条 他人の特許を虚偽表示し、下記に掲げる情状の一つがある場合、刑法第二百一十六条の「情状が特に重大」にあたり、特許虚偽表示罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、且つ、合わせてもしくは単独に罰金を処する。
(一)不法経営金額が20万元以上又は不法所得金額が10万元以上の場合
(二)特許権利者に50万元以上の直接的な経済損失をもたらした場合
(三)二つ以上の他人の特許を偽造し、不法経営金額が10万元以上又は不法所得金額が5万元以上の場合
(四)その他の情状が特に重大である場合 第五条 営利の目的で、刑法第二百一十七条に掲げる著作権を侵犯する行為の一つを実施し、不法所得金額が3万元以上である場合は、「不法所得金額が比較的大きい」にあたり;下記に掲げる情状の一つがある場合には、「その他の情状が特に重大である」にあたり、著作権侵害罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、且つ、合わせてもしくは単独に罰金を処する。
(一)不法経営金額が5万元以上の場合
(二)特許権利者の許諾を得ずに、その文字作品、音楽、映画、ビデオ、ソフトウェア及びその他の作品を複製、発行し、その数量の合計が千枚(部)以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合
営利の目的で、刑法第二百一十七条に掲げる著作権を侵犯する行為の一つを実施し、不法所得金額が15万元以上である場合は、「違法所得金額が巨大」にあたり;下記に掲げる情状の一つがある場合、“その他の情状が特に重大である場合”にあたり、著作権侵害罪として、三年以上、七年以下の有期懲役、且つ、罰金を処する。
(一)不法経営金額が25万元以上の場合
(二)特許権利者の許諾を得ずに、その文字作品、音楽、映画、ビデオ、ソフトウェア及びその他の作品を複製、発行し、その数量の合計が五千枚(部)以上の場合
(三)その他の情状が特に重大である場合
第六条 営利の目的で、刑法第二百一十八条に掲げる行為を実施し、不法所得金額が10万元以上である場合、“巨額な不法所得”にあたり、権利侵害複製品販売罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、合わせってもしくは単独に罰金を処する。
第七条 刑法第二百一十九条に掲げる行為の一つを実施し、営業秘密の権利者に50万元以上の損失をもたらした場合、「営業秘密の権利者に重大な損失をもたらす」にあたり、営業秘密侵害罪として、三年以下の有期懲役又は拘留、且つ、合わせてもしくは単独に罰金を処する。 営業秘密の権利者に250万元以上の損失をもたらした場合、刑法第二百一十九条に掲げる“特に重大な結果”にあたり、営業秘密侵害罪として、三年以上七年以下の有期懲役、且つ、罰金を処する。
第八条 刑法第二百一十三条に掲げる「同一商標」とは、虚偽表示された登録商標と完全に同一、又は視覚上基本的に区別がなく、公衆に商標誤認を生じさせるに十分な商標をいう。 刑法第二百一十三条に掲げる「使用」とは、登録商標又は虚偽表示登録商標を商品、商品の包装、又は容器、仕様書、取引文書に使用、もしくは広告宣伝、展覧及びその他の商業活動に使用することをいう。 第九条 刑法第二百一十四条に掲げる「販売金額」とは、虚偽表示登録商標の商品を販売し、所得又は取得しえる全部の不法収入である。 次に掲げる情状の一つがある場合には、刑法の第二百一十四条に掲げる「知っているにもかかわらず」と認定される。
(一)販売する商品の登録商標が改竄、変更され又は覆われているのを知っている場合 (二)模倣品の販売で、行政処罰を受け、又は民事責任を負ったことがあり、再び同一種類の模倣品を販売する場合 (三)使用承諾書を偽造、改竄、又は使用承諾書が偽造、改竄されたことを知っている場合 (四)その他の模倣品であることを知っているか又は知りえる場合 第十条 次に掲げる行為の一つを実施する場合は、刑法第二百一十六条規定の「他人の特許の不正使用」にあたる。 (一)許諾を得ずに、製品、包装に他人の特許番号を付す場合
(二)許諾を得ずに、広告又はその他の宣伝資料に他人の特許番号を使用し、かかる技術を他人の特許技術と誤認させる場合 (三)許諾を得ずに、契約書に他人の特許番号を記入、かかる契約に関連する技術を他人の特許技術と誤認させる場合 (四)他人の特許証書、特許書類又は特許出願書類を偽造又は変造する場合 第十一条 有料広告などの手段で直接又は間接的に費用を徴収する場合は、刑法第二百一十七条規定の「営利の目的」にあたる。 刑法第二百一十七条に掲げる「著作権利者の許諾を得ずに」とは、著作権利者の授権を得ていないか、又は授権許可文書を偽造、変造し、もしくは授権許可範囲を超えることをいう。 インターネットを通じ、他人の文字作品、音楽、映画、テレビ、ビデオ作品、コンピュータソフトウェア及びその他の作品を発布する行為は、刑法第二百一十七条に掲げる「複製発行」にあたる。
第十二条 本解釈の「不法販売金額」とは、行為者が知的財産権侵害行為を実施する過程に、製造、保存、運送、販売する権利侵害商品の価値をいう。販売された権利侵害商品の価値は、実際の販売価額で算出する。製造、保存、運送及び在庫の権利侵害商品の価値は、表示価額又は既に判明した権利侵害商品の平均販売価額で算出する。価額が表示されていない又は実際販売価額が判明できない場合、権利侵害された商品の市場中間価額で算出する。
数回にわたり知的財産権を侵害し、行政処罰又は刑事処罰されたことがない場合、不法経営金額、不法所得金額又は販売金額は、累計して算出する。 本解釈の第三条に掲げる「件」とは一つの完全な商標標識をいう。
第十三条 刑法第二百一十三条規定の登録商標を虚偽表示し、且つ当該虚偽登録商標の商品を販売し、犯罪を構成する場合には、刑法第二百一十三条の規定に従い、登録商標虚偽表示罪として処罰する。
刑法第二百一十三条規定の登録商標虚偽表示罪を犯し、且つ他人の登録商標を虚偽表示する商品を知っているにもかかわらず販売し、犯罪を構成する場合には、数罪併科を処する。
第十四条 刑法第二百一十七条規定の著作権侵害罪を犯し、且つ他人の権利を侵害する複製品を知っているにもかかわらず販売し、犯罪を構成する場合、刑法第二百一十七条の規定に従い、著作権侵害罪として処罰する。 刑法第二百一十七条規定の著作権侵害罪を犯し、且つ当該権利侵害の複製品を知っているにもかかわらず販売し、犯罪を構成する場合には、数罪併科を処する。
第十五条 事業者が刑法第二百一十三条から第二百一十九条に規定される行為を実施する場合には、本解釈に規定される相応の個人犯罪の三倍を基準として、罪を定め、刑を決める。
第十六条 他人が知的財産権侵害罪を犯しているのを知っているにもかかわらず、貸付金、資金、銀行口座、領収書、証明書、許可書又は生産、経営場所の提供もしくは運送、保存、輸出入代理などの協力を提供する場合、知的財産権侵害の共犯として、処罰する。
第十七条 以前に公布された知的財産権を侵害する犯罪に関する司法解釈は、本解釈と抵触する場合、本解釈の施行後、適用されないこととする。