集佳の弁護士が代理したイタリアのテクノジム社が意匠紛争に勝訴 ――ランニングマシンのフェラーリ、権利維持を高く掲げ最終的に勝利

2018-02-20

  「事件の概要」

  原告テクノジム社は世界でトップレベルの健康器具メーカーであり、その製品であるランニングマシンは「健康器具のフェラーリ」と称されている。本件において、原告は「Run ARTIS」というランニングマシンの意匠の保護を求めた。原告は、被告の天展公司が係争意匠の権利侵害製品TZ-7000ランニングマシンの製造に使用する専用の設備、モールドを有し、その工場内でTZ-7000ランニングマシンを大量に製造、組み立て、保管し、インターネットを通じて前述の権利侵害製品を大量に販売、販売を許諾していると主張し、被告に権利侵害行為を停止し、原告の意匠権を侵害するランニングマシンの製造、販売許諾、販売を即時停止し、原告に対する実質損失額100万元および合理的権利維持費用20万元の賠償を命じる判決を請求した。

  「裁定結果」

  済南市中級人民法院の一審、山東省高級人民法院の二審を経て、2つの法院の判決はいずれも被告が生産、販売、販売許諾して権利侵害を訴えられたランニングマシンは係争意匠の保護範囲にある旨を認定し、原告が主張する権利侵害行為の停止、経済的損失および合理的権利維持費用などの賠償請求を支持した。

  「典型的意義」

  1.訴訟前証拠保全が「差押え」から「使用許可」に変わった

  本件において、裁判官は、権利侵害の疑いのある製品を生産する工場、生産モールド、未完成品、大量の完成品およびパッキング・輸送中などの状況を撮影し、関連の在庫品およびモールドの数を調べて記録するなどの方法により保全し、生産設備などを封印せず、被保全者に生産モールドの継続使用を許可し、「差押」を「使用許可」に変え、原告の利益を損なうことなく、証拠を効果的に保存した。

  2.本件の審理は被告が無効審判請求を提出しても中止されなかった

  これまでの特許訴訟の実務において、特に実用新案、意匠の権利侵害訴訟の審理過程においては、被告が係争特許について無効審判を請求した場合、法院は審理を中止する裁定を行う確率が極めて高かった。しかし、本件において、合議廷は原被告双方が訴訟手続きにおいて提出した証拠を十分に考慮し、法律の規定を合理的に運用し、本件では訴訟の中止をする必要がないと判断し、審理の効率を大きく高めた。

  3.一審手続きにおいて被疑侵害製品と係争意匠の各正投影図を用いて比較し、法律の規定に合致した

  被告は二審において、一審法院は被疑侵害製品の写真と係争意匠の各正投影図を用いて比較した際、多くの設計の細部を詰めていなかったため、誤った事実認定を行い、誤った判決を招いたと主張した。二審法院は、《専利法》第59条第2項の規定に基づき、被疑侵害製品の写真と係争意匠の各正投影図を用いて比較し、被疑侵害製品が係争意匠の保護範囲にあるという結論を出し、法律に合致すると判断した。

  4.記録された証拠を合理的に利用し、損害賠償および合理的権利維持費用を支持した。

  原告は、一審において法院に被告の2012年から2016年8月までの間の輸出データを調べるよう求めた。また、訴訟前証拠保全の過程においても裁判官は被告の倉庫に大量の係争意匠の侵害製品が保管されていることに注目した。法院は審理後、被告が2015年と2016年1月から6月に輸出した権利侵害製品が1,200件近く、金額が700万元近くであるという事実を踏まえ、原告が主張する100万元の賠償額は合理的であると判断した。税関のデータおよび訴訟前保全において得た証拠が、法院が原告の主張を支持する鍵となったことが分かる。

  5.無効の決定前に一審の判決を下した

  通常、法院は特許侵害事件を審査する過程において、専利復審委員会が係争特許について無効の決定が下されるのを待って権利侵害か否かの判決を下す。しかし、本件においては、合議廷は係争意匠が無効とされる可能性が低く、すでに判決を下すことができ、専利復審委員会の無効決定を待つ必要がないと判断した。こうした処理方法は、事件の結論の正確さを保証しただけでなく、訴訟の効率を大いに高め、中国における特許訴訟周期が長いなどの問題の解決に実質的に役立った。

 

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