案件概要:
2012年11月22日、大疆創新科技公司は第12類「航空機」などの商品で国家商標局に「大疆」の商標を出願し、登録を許可された。登録商標は大量に使用、プロモーションされたことで、著名商標に認定される条件を備えた。
大疆実業有限公司は、「大疆」を企業名として使用すると共に、「大疆」ロゴを使用した携帯電話を生産、販売、プロモーションしている。侵害製品と訴えられたのは携帯電話で、大疆創新科技公司の「大疆」登録商標が使用許可された「航空機」などの商品とは異なるが、案件の証拠によると、係争「航空機」製品(無人機)は通常、携帯電話と組み合わせて使用するため、両者には一定の関連性があり、加えて「大疆」登録商標は著名商標にあたることから、区分を超えた商標権の保護を実現できる。故に、大疆実業有限公司による「大疆」ロゴ付きの携帯電話の生産、販売、プロモーションは商標権侵害であり、屋号における「大疆」の使用は不正競争行為にあたると主張した。
法院判決:
北京知識産権法院は本件に対して以下の判決を下した。
一、大疆実業有限公司はただちに係争登録商標の専用権侵害行為を停止する。すなわち、大疆実業有限公司はただちに係争生産、販売、プロモーションの行為において「大疆」の文言を使用することを停止する。
二、大疆実業有限公司はただちに係争不正行為を停止する。すなわち、大疆実業有限公司は「大疆」の文言を含む企業名を使用することを停止する。
三、大疆実業有限公司は本判決の発効日から三十日以内に「広州日報」および企業公式サイトに三十日連続で声明を掲載し、権利侵害行為による悪影響を除去する。
四、大疆実業有限公司は本判決の発効日から十日以内に大疆創新科技公司に対して五十万元の経済的損害および十一万四千三百零二元の合理的な費用支出を賠償する。
典型的意義:
本件は初めて司法判決という形で「大疆」商標の知名度が著名商標の認定基準に達することを確認し、著名商標の区分を超えた保護の考慮要素および権利侵害行為が交錯して発生する認定根拠を確定しており、今後の案件において参考にする意義が比較的高い。