基本的な事件概要:
スペインに本社があるJBCは国際的に有名なはんだ付け工具メーカーで、その歴史は1929年に遡ることができる。JBC社は中国において第8606223号「JBC」商標を登録し、使用を指定された商品は第9類の電気はんだ銃、電気はんだ付け設備、電気はんだごてなどであった。当該係争商標は中国国内の関連の公衆の間で非常に高い知名度と評判を誇っていた。
被告の深圳諾好技術有限公司は2012年に設立され、主な経営範囲はJBC社とやや重複している。被告はその公式ウェブサイト上でJBC社はその「協力関係にある顧客」であると公言し、1688ウェブサイトなどの電子商取引プラットフォームを通じて国産JBC製はんだごて先と称する各種製品を国内で販売し、これにより利益を得ていた。
法院の判決:
審理を経て、法院は被告に対して原告への権益保護費用10万元、経済的損失35万元(内訳は商標権侵害による経済的損失が30万元、虚偽の宣伝による経済的損失が5万元)の賠償を命じる判決を下した。
集佳のコメント:
本件の問題点は、被告が実際に生産するJBCの模倣商品とJBCの真正品を混合して販売し、対外取引において自ら販売業者を装っていたことであり、権利侵害により不当な利益を取得しながら、「商標法」第64条第2項に定める「合法的出所」制度を利用して賠償責任を逃れようとしたことから、被告が提出した合法的出所の抗弁をどのように確実に否定し、事実と真相に辿り着くかが、事件の核心となった。
法廷での審理において、被告はやはり「合法的出所」を抗弁の戦略とし、第三者が権利侵害の疑いがある商品を生産したことを示す関連の証拠を提出した。これに対して、JBC訴訟グループは事前に入手した反論のための証拠に基づき、被告のいう合法的出所に関する主張を否定することに成功した。