先ごろ、最高人民法院は集佳法律事務所が代理人を務めた平安夜集団有限公司(「弊所依頼人」)が第3382610号係争商標「賽林娜」に対して提起した商標権取消不服審判行政紛争再審事件について再審判決を下し、弊所依頼人の再審申立てを支持した、つまり北京市高級人民法院と北京知的財産法院がそれぞれ下した一、二審判決を取り消し、原国家工商行政管理総局商標評審委員会が下した商標取消の審決を維持した。これにより、弊所依頼人は再審での勝訴を勝ち取り、係争商標は最終的に取消しに成功した。
基本的な事件の状況:
2015年、弊所依頼人は係争商標について商標局に対して3年連続不使用による取消しを申し立てたが支持を得られかったため、不服審判を申し立て、原国家工商行政管理総局商標評審委員会の支持を得た。つまり当該委員会は係争商標を取り消すべきであるとの審決(以下、「係争審決」)を下した。係争商標の権利者は当該係争審決を不服として北京知的財産法院に提訴し、係争商標が使用されていたことを証明するための関連の証拠を追加で提出した。北京知的財産法院は審理を経た後に本件証拠は係争商標が指定期間内に真に有効な商業使用が行われていたことを証明することができると判断し、係争商標の権利者の訴えを支持した。弊所依頼人は当該一審判決を不服として法により北京市高級人民法院に上訴し、北京市高級人民法院は審理を経て下した二審判決において、一審判決を維持した。弊所依頼人は当該二審判決を不服として、最高人民法院に再審を申し立てた。
再審段階において、集佳の弁護士はこの類の商標権取消紛争事件の最も重要な点は、指定期間内に係争商標が指定商品または役務上で継続的に実際に使用されていたか否かを本件証拠により証明することができるか否かを審査する場合は、使用の目的(善意または悪意)、使用行為そのもの(真の使用、象徴的な使用さらには虚偽の使用)および使用の結果(区分された市場効果または混合的な市場効果)を全体的に考慮しなければならないことであり、象徴性、偶然性の高い非合法な使用のみでは、2001年商標法第44条第1項第4号に定める商標使用行為の立法目的に適合しないことを強調した。さらに賽林娜公司が一審、二審および再審において提出した証拠と答弁理由に対して逐一分析と論述を行った。
当該再審事件は最高人民法院の法による審査を経た後に再審の裁定が下り、最高人民法院の法による審理を経た後に集佳の弁護士の商標使用に関する上述の主張が取り入れられたことにより弊所依頼人の再審の訴えが支持され、つまり一、二審判決が取り消され、係争審決が維持された。
典型事例の意義:
本件の再審判決を通じて最高人民法院が商標使用の証拠を審査、認定する際に把握している裁判要旨を比較的明確に理解することができる。それは商標権者が自己の商標と他人の商標を同時に使用する場合に、2つの商標の各自の独立性を曖昧にし、または2つの商標の間の特定の関連性の存在を暗示することを目的とし、それにより他人の商標が持つ業務上の信用を不正に利用することは、商標法の本来の目的に適合する使用に属しないということである。商標使用行為により関連の公衆に係争商標が示す出所に対する混乱、誤認が生じ、市場の混乱の結果を能動的に求めることを容易に引き起こすのであれば、法定の商標使用の効果を生じさせることはできない。
本件における商標使用の要件に対する分析と詳細な説明は、類似事件の模範事例として参考とすることができ、典型的、現実的な意義が非常に大きい。訴訟戦略の角度から見ると、本件は現行の司法救済手続きを積極的かつ十分に利用し、物事の道理に従い全力を尽くすという観点からも類似事件にとって参考となるものである。