中国初の医薬品パテントリンケージ訴訟事件――中外製薬株式会社と温州海鶴薬業有限公司が特許権保護範囲確認の紛争事件

2023-05-08

事件の経緯

  中外製薬株式会社は専利法第76条第1項に基づき北京知識産権法院に医薬品パテントリンケージ訴訟を提起し、温州海鶴薬業有限公司の「艾地骨化醇軟胶嚢」ジェネリック医薬品技術方案が係争特許クレームの保護範囲に該当することを確認する請求をした。一審法院の判決は中外製薬株式会社の訴訟請求を棄却した。中外製薬株式会社はこれを不服として上訴した。最高人民法院二審は次のことを認めた。温州海鶴薬業有限公司は保護範囲が最大のクレームに対し声明を出しておらず、声明および声明根拠を上市許可保有者である中外製薬株式会社に速やかに通知していない行為はやや不当であり、指摘されるべきである。ジェネリック医薬品技術方案が特許クレームの保護範囲に該当するか否かに関する判断は原則としてジェネリック医薬品出願人の出願資料を根拠として比較、判断しなければならない。比較を経て、係争ジェネリック医薬品技術方案は特許クレームの保護範囲に該当しない。そこで判決は上訴を棄却し、原判決を維持した。

  典型事例の意義

  これは中国初の医薬品パテントリンケージ訴訟事件である。中国の医薬品パテントリンケージ制度は構築されたばかりでまだ模索の段階にあり、この事件の判決は医薬品パテントリンケージ制度の実践初期に出現した新たな問題に対する立法目的の探索的な法律適用にあたり、中国国内外のメディアおよび医薬業界全体の関心と広範な高評価を得た。中央広播電視総台は即座に報道し、「新時代の法治過程2022年度十大入選事件」に選ばれた。

  (事例出典:中華人民共和国最高人民法院)

 

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