集佳が代理人を務めたITGの特許権無効審判請求事件で勝利

2023-06-26

  事件の概要

  インターナショナル・テキスタイル・グループ(International Textile Group, ITG)は、米国・カリフォルニア州ビバリーヒルズに本社を置く、多角経営の織物メーカーである。同グループの安全な織物は世界の多くの自動車に採用され、生地やシートクッションが世界各国(米国、ドイツ、ポーランド、中国、メキシコ)で生産されている。

  2013年3月、ITGは国家知識産権局に「難燃性布帛およびそれを用いた衣服」という発明の特許を出願し、同特許は2017年4月に特許権を付与された。同特許で保護される「難燃性布帛およびそれを用いた衣服」は、熱や炎から着用者を守り、火傷しないようにすることを目的としており、特に消防士などの役務提供者や軍人の着用に適している。この特許に対し、自然人鄧某は2017年7月、当時の専利復審委員会(特許再審査委員会)に無効審判請求を行い、審理の結果、専利復審委員会は2018年1月、無効審判請求審査決定書を作成し、特許権者の補正を経た全ての請求項に基づき、特許権の有効性を維持する決定を下した。前記決定に対し、その後、鄧某は北京知識産権法院に行政訴訟を提起した。北京知識産権法院は審理の結果、訴えの対象である決定は、補正が元の請求項と明細書記載の範囲を超えていないことから、合法の原則と聴聞の原則に違反しておらず、また創造性(進歩性)を備えていることから、当該決定は維持されるべきと判断した。その後、当事者双方ともに法定期間内に最高人民法院に上訴しなかった。

  事件の典型性

  本事件は、特許の創造性を判断する際の予期しない技術的効果の考慮に関わるものである。本件では、法院は「1つの特許が解決しようとする技術的課題や達成しようとする技術的効果は複数ある可能性があり、かつ複数の性能パラメータで具体化される場合があるので、すべての技術的効果において『予期しない』程度を達成する必要はなく、発明が予期しない技術的効果を達成したか否かを判断する際には、発明と最も近い先行技術との違いを通じて、当該特許の技術プランがある技術的効果において当業者の予期しない程度に達していれば、その発明は予期しない技術的効果を達成したと見なすことができる」と判示した。これにより、発明の「予期しない技術的効果」達成の証明基準が明確になり、本事件は技術的効果で創造性が強調される特許権付与・確定事件にとって重要な参考となる。こうした事例は全国の特許権の運用、管理、保護の水準に関わるものであり、中国の特許制度全体にとって基本的かつ全局的な意味を持っている。

 

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