事件の概要
先般、クライアントの青島A公司(以下、A公司)から集佳に連絡があり、「第13回中国・東光段ボール包装機械博覧会の会場において、河北B社(以下、B公司)が出展した段ボール製函機が自社の複数の専利権を侵害している。ついては、集佳の弁護士チームに対し、自社の権利を守るためのプランを策定してB公司の侵害行為を制止してほしい」との依頼があった。
会期が3日間しかないことから、集佳弁護士チームは豊富な経験と専門スキルを活かし、直ちに状況を把握し、クライアントの権利を守るためのプランを迅速に策定し、A公司の確認と委任を受けた後、直ちに実行に移した。委任を受けたその日にA公司の権利保護のベースとなるのに相応しい専利を選び出し、博覧会2日目の午前、博覧会が終了して侵害の証拠が得られなくなることを避けるため、弁護士が公証人を連れて博覧会の会場に赴き、B公司の侵害の事実に対して証拠保全を行った。同日午後、弁護士は積極的に博覧会の現場の知識産権管理部門の担当者に連絡して調整を行い、担当者の案内のもと、会場の侵害機器に対して現地調査を実施し、A公司の代理人としてB公司の担当者とその場で和解の意向について交渉を行った。博覧会3日目、現地の専利行政管理部門のとりなしのもと、双方は友好的な協議を経て、B公司が直ちに侵害品である段ボール製函機の展示を取りやめ、侵害行為を停止することで合意し、最終的に和解契約を締結した。こうして弁護士チームはA公司の正当な権益を守ることに成功した。
事件のポイント
近年、展示会という経済活動が徐々に盛んになるにともない、展示会での知的財産権侵害行為が多発しているが、展示会は開催期間が短いため、専利権保護という高度に専門的な事件の場合、弁護士チームの活動は大きな制約を受ける。今回、弁護士は主に下記の2点からA公司の権利保護を効果的にサポートした。
迅速な対応と分業による協働
クライアントから委任を受け、当事者双方が合意して和解契約を締結するまで、わずか2日半しか経過していない。これは集佳の弁護士が迅速に対応したためであり、内部で明確な分業体制を構築し、個別に公証による証拠保全と行政への申立を行い、それぞれの進捗状況や情報を適宜共有した結果、最終的にB公司が博覧会2日目の終了後に侵害品である機器の展示を取りやめるに至った。
多元的な取り組みと相乗効果の発揮
B公司の侵害行為に対抗するため、集佳は行政と司法の両面から総合的な戦略を講じた。第1に、行政の調査・取締り手続きに基づき、立案プロセスを推進した。第2に、権利侵害訴訟の可能性を考慮して、証拠保全を行った。第3に、博覧会での権利保護の緊急性に対応するため、展示会における知的財産権紛争の仲裁制度を十分に活用した。複数のルートを同時進行させ、相互に連携し、相乗効果を発揮し、権利保護アクションの最終的な成功を確保した。