集佳が代理人を務めた韓国の有名化粧品ブランドSOME BY MI/サムバイミースキンケア製品の包装、装飾に関する権利保護事件で勝訴

2024-06-26

 事件の概要

 SOME BY MI(サムバイミー、中国語:莎柏蜜)は韓国発のスキンケアブランドであり、同ブランドの「AHA BHA PHA」30デイズミラクル(AHA、BHA、PHAの3つの酸とティーツリー成分を配合)シリーズ、「SNAIL TRUECICA」スネールトゥルーシカシリーズのスキンケア製品は中国において多くの消費者、特に若い女性から支持されている。2016年、原告の李知恩は韓国において株式会社貝倫佩(PERENNEBELL CO.,LTD.)の設立登記を行った。同社はSOME BY MI/サムバイミースキンケア製品の生産販売業者である。2017年3月、5月に、李知恩はそれぞれ国家知識産権局に第3類第23315134号「SOMEBYMI」、第24310778号「」、第24311015号「」の商標登録出願を行い、さらに2018年と2019年に相次いで第三者を通じてそのシリーズのスキンケア製品の宣伝活動を行い、それにより当該ブランドは国内の化粧品分野において一定の知名度を獲得した。

 2021年に原告が北京市集佳法律事務所に依頼した調査により、被告の汕頭市深特宝潔実業有限公司が生産、販売、宣伝を行っている「ティーツリー配合吹き出物対策美白保湿液」「ティーツリー配合化粧石鹸」などのスキンケア製品について、その包装・装飾が前述した原告の比較的高い知名度と影響力を有する「SOME BY MI/サムバイミー」30デイズミラクルシリーズ化粧品およびスネールトゥルーシカ美容液の包装、装飾のデザインを直接的に剽窃、模倣し、これに類似する標識を使用し、消費者に誤認・混同を生じさせていることを発見した。このため、原告は30デイズミラクルシリーズ、スネールトゥルーシカ美容液の包装・装飾の受益者として、広東省汕頭市中級人民法院に提訴した。汕頭中級人民法院は、李知恩が主張する30デイズミラクルシリーズ、スネールトゥルーシカ美容液の包装・装飾が一定の影響力を有する包装・装飾であること、深特宝潔公司が30デイズミラクルシリーズ、スネールトゥルーシカ美容液を生産、販売する行為が不正競争に当たることを認定した。判決の賠償額が原告の期待に及ばなかったことにより、原告はその後広東省高級人民法院に控訴し、広東省高級人民法院は最終的に一審判決を維持した。

 包装・装飾の対比:

 事件の評価・分析

 本件における第1の問題は、李知恩が本件の適格な原告であるか否かという点である。汕頭中級人民法院および広東省高級人民法院はそれぞれの判決において共に次の内容を認定した。李知恩は特有の装飾を有する2種類の商業標識の権益に関する中国国内の権利者として、権利侵害行為に対して単独で訴訟を提起する権利を有することから、李知恩は2件の事件における適格な原告である。

 本件における第2の問題は、一定の影響力を有する他人の包装・装飾を無断で使用する不正競争行為を認定するか否かという点である。両者の法院は共に次の内容を認定した。深特宝潔公司が30デイズミラクルシリーズ製品およびスネールトゥルーシカ美容液を生産、販売する行為は《不正競争防止法》第6条第1項に定める「一定の影響力を有する他人の商品の名称、包装、装飾等と同一又は類似の標識を無断で使用する」不正競争行為に当たるため、法により相応の民事責任を負わなければならない。

 典型事例の意義

 《不正競争防止法》は市場主体の経営活動を規制する行為法であり、ある種の主体に対する特別な保護または制限に重きを置く法律ではない。模倣ブランドに付け入る隙を与えないために、企業は商標を重視するとともに製品の包装・装飾にも注意を払い、例えば事業協力または製品の市場販売開始時に、権利保護訴訟が発生した場合の勝訴率を高めるために、使用許諾に関する書類の締結、販売データなどの保存など事前に対策を講じなければならない。

 

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