温州市商標事務所は、温州金獅 啤 酒有限公司 ( 異議申立人と称す ) の委託を受け、商標“ 双鹿 ” の異議申し立てを行った。当該商標は、商標局の初歩審査に合格し、出願番号 1521835 が付与され、商標公告 759 号に掲載されたものである。集佳は、 安陽印鉄精細化工廠 ( 申請人と称す ) の委託を受け この商標の登録申請を行ったのである。意義申し立ては商標局により受け入れられ、 安陽印鉄精細化工廠は 期限内に返答した。
異議申し立て理由:
異議申立人の商標は 浙 江省における著名商標であり、消費者に知れ渡っている商標である。申請人の“ 双鹿 ”商標は、異議申立人の商標を脅かすものである。申請人の商標は、異議申立人の指定商品と類似の商品に登録されるものではない。“殺虫剤”と食品とは根本的に異なるものであり、並び称せられるものではない。それ故、申請人の商標の登録は、異議申立人に多大な被害を加えるのみならず多くの消費者の健康に対する脅威となるものである。加えて、異議申立人の商標の模倣は不当競争行為であるので、申請人の商標は認可登録されるべきではない。
申請人の返答:
使用場所、使用商品、流通網や流通方法などが完全に異なっているので、消費者の誤認や混同はありえない。異議申立人は河南省において名声を得ている。地理的に申請人とは非常に隔たっており、業界も全く異なっている。それ故、先登録商標の模倣、採用など全く不必要なことである。加えて、 “ 双鹿 ”商標は色々な商品分野において複数の会社により申請され、ある会社は異議申立人よりはるかに有名である。それ故、異議申立人の言わんとする不正競争の根拠は存在しないのである。
商標局の判定:
申請人の “ 双鹿 ” 商標は、第5類の“殺虫剤”を指定しており、異議申立人の先登録商標
“ 双鹿 ” は第32類の“ビール”を指定している。双方の商標は二つの同一の中国文字を有しているが、夫々の指定商品は殺虫剤とビールであり、両商品の間には特徴、材料、機能、目的、流通網、消費者層など顕著な差が存在する。それ故、これらは類似商品ではなく、一般消費者は両商品の出所を混同することはありえない。更に、 “ 双鹿 ” 商標は異議申立人の独創ではない。異議申立人の商標が 浙 江省における著名商標であったとしても、申請人は遥か遠くの河南省に所在している。 異議申立人は、申請人の商標が先登録商標の模倣であるという十分な証拠を提出することができなかった。それ故、異議は成立しない。
商標法第33条の規定に従い、 1521835 号 “ 双鹿 ” 商標の登録は認められるものとする。