集佳が訴訟代理人を務めた硅力傑半導体技術(杭州)有限公司の特許行政訴訟事件は一審で勝訴

2015-04-18

硅力傑有限公司(以下「硅力傑社」)は米国シリコンバレーに本部を置くハイテクノロジー企業であり、2013年12月に台湾地区に上場した。硅力傑社の主力製品は電源管理IC製品で、消費者向け電子製品、工業用製品、情報製品とネットワーク通信の四大分野をカバーしており、LEDドライバICチップ分野では高い評価を得ている。

照明技術のたゆまぬイノベーションと発展に加え、省エネルギーと環境保全が日増しに重要となっており、LED照明は1つの革命的省エネルギー照明技術として急速に発展している。LEDライトにはその駆動に定電流の駆動回路が必要となるが、先行技術のLED駆動回路には回避し難い多くの欠陥が存在している。硅力傑社が研究開発した新技術、すなわち特許番号ZL201010619845.0、名称を「LEDドライバの制御回路およびその制御方法」とする特許の技術は、より簡略化された回路構造設計を採用して、駆動回路の安定性と耐用年数を高め、電源の稼働效率を向上させている。

当該特許が係わる新技術は、同業他社から多くの注目を集めた。当該特許の登録からわずか1か月後、第三者が専利再審委員会に無効審判を請求し、2014年9月28日、国家知識産権局専利再審委員会は進歩性欠如を理由として、当該特許の全部無効の審決を下した。

集佳と硅力傑社は総合的な分析を経て、当該無効審決には本特許の進歩性の認定に事実また法律上の誤りが多数存在しており、当該特許は専利法で規定される進歩性の基準に完全に適合していると判断した。このため、硅力傑社は集佳に訴訟代理を委任して北京知的財産法院に行政訴訟を提起し、専利再審委員会の無効審決を取り消すよう人民法院に請求するとともに、専利再審委員会に改めて審決を行うよう要求した。

2015年3月13日、本事件の公開審理が行われた。審理では、無効審決に多くの問題が存在することについて、原告代理人と専利再審委員会および第三者が十分な説明と答弁を行った。2015年5月4日、原告は北京知的財産法院の(2015)京知行初字第42号行政判決書を受け取った。法院は原告のすべての訴訟請求を支持し、原告の硅力傑社は一審で勝訴した。

この事件の訴訟代理人を務めた孔繁文弁護士によると、客観的事実から見て、原告に十分な勝訴理由があったとはいえ、この事件がLED駆動制御回路の進歩性判断にかかわっており、技術的に複雑性が高いため、行政訴訟においてこれらの複雑な問題をいかに簡素化し、事件の事実について短時間で裁判官の十分な理解が得られるかということが、事件を勝訴に導くための重要な前提となっていた。そのため、集佳は法律または電気学の背景を持つ弁護士および弁理士を複数動員してチームを編成し、本事件の全過程に参加し、また、クライアントの技術チームと事件の詳細の一つひとつに対して、奥深くしかも理解しやすい分析と検討を行った。チームの知恵を発揮し、特許に関する技術を類推方法により当業者が熟知している内容に置き換え、難解な技術用語を生き生きとしたわかりやすい表現に変え、技術的範囲の限定をストーリー化した描写に変更した。原告側のすべての事件材料と開廷審理の説明について、チーム内の関連技術の背景を持つ者に理解させるだけでなく、チーム内の電気学の背景を持たない者でも十分理解できるよう心がけた。クライアントと集佳弁護士・弁理士チームの惜しまぬ努力と緊密な協力が、本事件が一審勝訴の基礎となった。

なお、北京知的財産法院の裁判官はみな北京三級法院の経験豊富で優秀な知的財産裁判官から選出されていたため、本事件に係る関連技術が高い技術的難度を有していたとはいえ、裁判官の知的財産関連の事件に対する裁判経験と優れたた裁判能力により、本事件の技術的事実と法的事実に対して短時間で端的な審理が行われ、当事者の合法的な権利利益の十分な保障が確保された。

 

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