北京墨業有限責任公司は、1865年に創立され、そのインクは特に有名である。今まで140年以上の歴史を持ち、商標「一得閣」は十年以上連続して著名商標と評価され、2005年度に再度北京市著名商標として認定された。2006年に同社は「中華老舗」に認定され、インクの系列商品は北京の無形遺産と評価され、商品の調合法が国家級の機密事項になっている。
しかし、このように中国の文化商品で百年以上の歴史を持ち、書画用品の最高品質を誇る中華老舗が、近年、知的財産権分野の難題に遭遇し、特に模倣品の問題に困っていた。
最近、 一得閣は大量のクレームを受け、調査により山東省臨沂市にある企業が一得閣商標のインク商品を大量生産販売し、しかも商品価格が正常の市場価格より相当に安く、生産・販売ルートが整っていることが判明した。この事件はかなり複雑であるので、一挙に模倣品の製造会社を取締るため、一得閣は豊富な模倣品摘発経験を持つ法律サービス会社の北京集佳知識産権代理有限公司に委託した。
集佳は委任を受け直ちに弁護士を権利侵害地に派遣した。権利侵害事実を再度確認し、完璧な証拠資料を収集して、山東省臨沂市工商行政管理局へ告発した。工商局は事件の状況を分析した後、山東省臨沂市公安局とともに、共同司法活動を展開した。
模倣品の製造会社で、一得閣商標を付けたインク115箱、商標の標識600枚、包装箱400個、商品説明書100部を発見した。技術者の現場鑑定により上記すべての品物が模倣品と判明したので、工商局は全ての模倣品を差押えた。担当弁護士の話によると、当事件の模倣品の金額が高く、工商行政管理部門が模倣品の製造会社に対し行政処分を行うと同時に公安部門に移送し、模倣品の製造会社の刑事責任まで追及することが可能であるとのことである。現在、当事件は審理中である。
2006年4月、商務部は、「『老舗の振興プロジェクト』の実施に関する通知」を公布し、再度中華老舗企業の活性化を行うため、2006年よりこのプロジェクトをスタートすることを決定した。