集佳が代理した最高人民法院審理の上海の中華老字号「東方眼鏡」再審案件がついに勝訴

2017-08-28

  事件の概要

  上海東方眼鏡有限公司、元東方眼鏡公司は1928年創業の長い経営の歴史がある。2004年、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は第44類「眼鏡業」役務項目において「東方」商標の登録出願をした。当該商標登録の異議申立て期間内に、上海東方眼鏡有限公司は《商標法》第31条の規定する先使用権に基づき、異議を申し立てた。商標局は審査後、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司が登録出願した「東方」商標は上海東方眼鏡有限公司の東方の先行商号権および先に使用されて一定の影響力をもつ「東方眼鏡」の先使用権を侵害したとした。ゆえに、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司による「東方」商標の登録出願を却下する旨の決定を下した。後日、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は商標評審委員会に異議申立ての再審査を請求し、2013年6月に商標評審委員会は再審査に対する決定を下した。同決定は次のように認定した。(1)上海東方眼鏡有限公司の「東方」は中華老字号(中国政府認定の企業のみが利用できる老舗ブランドの称号――訳注)であるが、知名度は主に上海地域においてであり、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は主に広州で事業を展開している。したがって、双方は混同を生じさせない。(2)広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は25年間の発展を経て、すでに比較的高い知名度がある。以上の理由により、商標評審委員会は広州東方眼鏡連鎖企業有限公司の「東方」商標の登録出願を支持する決定を下した。その後、第二者である上海東方眼鏡有限公司は北京市第一中級人民法院に行政訴訟を提起した。北京市第一中級人民法院は審理を経て、上海東方眼鏡有限公司の「東方」は中華老字号に属し、保護しなければならないとした。また、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は第44類「眼鏡業」役務項目において「東方」商標を登録出願したことにより上述の「東方」の先行商号権を侵害し、《商標法》第31条に違反したため、商標評審委員会の上述の決定を取り消し、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司の「東方」商標登録を拒絶する旨の判決を下した。広州東方眼鏡連鎖企業有限公司は以上の判決を不服とし、北京市高級人民法院に控訴した。2014年8月、北京市高級人民法院は審理後、次のように認定した。すなわち、上海東方眼鏡有限公司の「東方」は中華老字号ではあるが、上海地域に限られていることに対して、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司の「東方」は使用を通じて自身の知名度を得ており、広州の「東方」は主に広州地区にあるため、両者に誤認・混同が生じることはない。ゆえに、北京市第一中級人民法院の一審判決を取り消し、商標評審委員会の決定を維持し、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司の「東方」の商標登録を許可する旨の判決を下した。2014年12月、上海東方眼鏡有限公司は北京市高級人民法院の上述の判決を不服とし、最高人民法院に再審を請求し、2015年1月15日、最高人民法院は上述の再審請求についてヒアリングの形で各方面の意見を聴取した。2015年12月10日、最高人民法院は本件の再審理を決定し、北京市高級人民法院の二審判決の執行停止との決定を下した。審理を経て、最高人民法院は2016年12月23日、以下の再審行政判決を下した。広州東方眼鏡連鎖企業有限公司が第44類「眼鏡業」役務項目において「東方」商標を登録出願したことにより上述の「東方」の先行商号権を侵害し、《商標法》第31条に違反したため、広州東方眼鏡連鎖企業有限公司の「東方」商標登録を拒絶するとした。したがって、北京市高級人民法院の二審判決を取り消し、商標評審委員会の上述の決定を取り消す旨の判決を下した。

  典型的意義

  「東方眼鏡」案件は中華老字号の知的財産権保護において極めて典型的な意義がある。

  1.「東方眼鏡」案件は中華老字号の権利者が知的財産権に対する意識に強く目覚めたことを表している。さまざまな客観的要因により、中華老字号の知的財産権の保護は困難が山積みだが、本件においては12年かけて最終的に勝利を勝ち取ったという事実は、上海東方眼鏡有限公司が自身の合法的な権益を守り抜くために、問題を回避せず、困難から逃げず、やり抜いた姿勢を十分に示した。このことは、社会主義市場経済の著しい発展と繁栄を遂げた背景の下、中華老字号の権利者が知的財産権保護の意欲を強め続け、保護意識を高め続けてきたことを示した一面でもある。

  2.「東方眼鏡」案件も各級の機関が確かに実際の行動で中華老字号の発展と成長を支持していることを再度物語っている。本件にかかわる紛争は歴史的背景が複雑で、法律問題の論争が激しかったが、最終的には最高人民法院が非常に優れたプロフェッショナル精神によって正確な裁判を行い、「東方眼鏡」という中華老字号の合法的な権益を維持した。これにより、国の各級の機関の中華老字号に対する保護は実践的かつ実質的であることが十分に示された。

  3.「東方眼鏡」案件の裁判規則は同類型の中華老字号の知的財産権保護に対し、参考意義が強い。本案件は、法により中華老字号の合法的な権益に「より力強い保護」を与えなければならないという重要な情報となったと信じている。こうした力強い保護はある程度で、大衆にかかわる広い権益に対する力強い擁護でもあり、良好な社会主義市場経済秩序の構築に対する力強い擁護でもある。

 

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