2017年6月6日、上海市普陀区人民法院(以下、「普陀区法院」)は、東方風行(北京)伝媒文化有限公司、上海茗詩化粧品有限公司、上海華煜生物科技発展有限公司、施小红および邯鄲市邯山区時尚化粧品経営部の間で発生した著作権侵害および不正競争事件に対する一審判决を下し、著作権侵害および不正競争行為の停止、影響の除去、さらに、原告が被った経済的損失および合理的な支出合計57万元余りの賠償を被告に命じた。
調査によると、原告東方風行(北京)伝媒文化有限公司は装飾文字「美麗俏佳人」の創作デザインを完成するとともに、番組「美麗俏佳人」の試写フィルムの制作を完成した。当該番組は化粧品、美容テクニックの紹介・推薦を主とし、その中でも装飾文字「美麗俏佳人」が使用されている。2006年の初回放送から現在まで番組「美麗俏佳人」は徐々に関連公衆、特に美容・化粧とファッションを熱愛する女性に受け入れられている。
被告は、その製造、販売する化粧品の外部包装上に、原告が著作権を有する美術作品と完全に同一の文字「美麗俏佳人」を目立たせて使用するとともに、WeChatのモーメンツ上の宣伝においても「美麗俏佳人」の文字を目立たせて使用し、さらに、「美麗俏佳人ブランド推薦」、「美麗俏佳人コスメテック推薦」の字面、番組「美麗俏佳人」の司会者である李静氏の画像、および番組関連の宣伝内容を大量に使用した。
原告は被告の行為が著作権侵害および不正競争を構成していると考え、原告の権利・利益を保護するための訴訟を法院に提起した。
【典型的意義】
この事件から、ここ数年、知的財産権の侵害行為に対する中国司法機関の処罰が益々強化され、賠償金額が引き上げられていることが見てとれる。一審法院は原告の請求内容を全面的に認めており、まさに、この原告のような知的財産権の所有者に対する保護、および経済的便益ばかりに目がいき、業界倫理を顧みない権利侵害者に対する厳しい姿勢が具現化されている。なお、当該事件は、著作権侵害および不正競争行為の認定に至る考え方においても参照・検討に値する。