集佳が代理を務める捜狗(Sogou)が、百度(バイドゥ)の「タッチ操作」特許に全部無効の審決

2020-10-23

  集佳が代理を務めるSogou社がバイドゥ社に対して提起した特許番号第ZL 201110421574.2号の名称「携帯端末上でユーザーにタッチ操作を促す方法及びクライアント端末」特許無効審判請求に対し、国家知識産権局はこのほど、「無効審判請求審決書」を発行し、 特許を全部無効とする審決を下した。

  事件の概要:

  係争特許は、2016年、バイドゥ社より特許侵害の疑いの申し立てがあったSogou社の入力方法における10項目の権利基盤の1つであり、係争特許の初回の無効審判請求で敗北した後、Sogou社は、係争特許の2回目の無効審判請求を集佳に依頼した。集佳特許無効訴訟チームは、分析・スクリーニングを経て今回の無効の証拠を次のとおり確定した。

  証拠1:公証を経た、智友フォーラムで公開されたゲーム「捕魚達人」V1.2版のガイド動画

  証拠2:中国台湾宏碁(エイサー)社、特許番号CN101349944A

  証拠3:中国台湾HTC社、特許番号US20090285383A1

  証拠4:中国台湾の威盛(VIAテクノロジーズ)社、特許番号CN101819505A

  証拠5:韓国LG電子株式会社、特許番号CN1855021A

  証拠6:中国台湾英業達(Inventec)社、特許番号CN102073439A

  証拠7:米国Apple社、特許番号CN101697181A

  証拠8:日本富士通株式会社、特許番号CN1472670A

  証拠9:米国Microsoft社、特許番号CN102067079A

  証拠10:公証を経た、優酷(Youku)、捜狐(Sogou)、土豆(Tudou)サイトで公開されている「iPhone 3GS公式中国版利用ガイド動画」

  証拠11:中国華為(ファーウェイ)社、特許番号CN101986251A

  上述の既存の技術証拠に基づき、集佳は係争特許を全部無効にすべき具体的な理由と証拠の説明を提出した。

  決定のハイライト

  ハイライト1:ネットワーク上の証拠の認容性について

  合議体は次のとおり判断した。

  (1)ネットフォーラムの場合、そのネットワークの情報の信頼性、影響力、伝播効率等、他の要素が公信力を大きく左右する。智友フォーラムは、業界内で規模が比較的大きい第三者Android交流フォーラムであり、登録ユーザー数と投稿量が多く、中国地区でのアクセスは上位に位置している。特許権者が主張する、フォーラム所属企業が侵害にかかわり、または行政処分を受けたことによりその公信力が低下したという理由は成立しない。

  (2)証拠1のソフトウェアは請求人が公証機関の監督公証のもとに適法にダウンロードして入手したものであり、「最高人民法院による民事訴訟証拠に関する若干の規定」の除外すべき状況には該当しない。

  ハイライト2:インターネット証拠の公開性の認定について

  合議体は次のとおり判断した。

  投稿者が返信件数を増やす目的で投稿をスレッド表示に設定する方法は、各種フォーラムで一般的に使用される投稿様式であり、こうした様式は公衆がその内容を取得する障害にならず、投稿内容の公開性に実質的な影響を与えることもない。

  ハイライト3:ネットワーク証拠公開時間の認定について

  合議体は次のとおり判断した。

  無効審判請求人によるフォーラム投稿規則の修正に関する検証:公開済みの投稿を修正すると、最終編集時刻が表示されるため、証拠1に表示された時刻が投稿の最後の編集時刻であることが証明され、その内容の公開時刻であるとみなすことができる。2011年のフォーラム規則が2018年の規則と異なる可能性があるという特許権者の主張は認められない。

  ハイライト4:進歩性に関するコメント

  合議体は次のとおり判断した。

  まず、請求項1と証拠3の相違点は次のとおりである。(1) タッチガイド情報の内容が異なる。請求項1はタッチガイド動画を表示し、証拠3はタッチガイド情報を表示している。(2) 証拠3は、請求項1で限定された複数のタッチプロンプトイベントのうちの1つを開示している。

  次に、その相違点(1)について、証拠1「捕魚達人」のゲーム操作デモ動画は、タッチガイド情報をアニメーション形式で表示することが開示されており、さらには、ユーザーが行った特定のタッチ操作に基づいてアニメーションの再生が停止する、すなわち、相違点(1)が開示されており、なおかつ、この特徴が証拠1において果たす役割は、係争特許においてその技術的課題を解決するために果たす役割と同じである。したがって、当業者は、証拠1と証拠3を組み合わせることにより、鮮やかなアニメーション形式でタッチガイドを提供する動機がある。

  さらに、相違点 (2) について、証拠8は、新着メール、着信、新着メッセージ等の異なるアラートイベントに対応するガイダンス画面を表示するという技術的特徴を開示しており、なおかつ、この特徴が証拠8において果たす役割は、係争特許においてその技術的課題を解決するために果たす役割と同じである。このため当業者は、新着メール、新着メッセージ等の異なるイベントについて証拠8が提供するガイダンスを、証拠3に組み込む動機がある。

 

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