金蝶が権利を守り勝訴 成都市中級人民法院が成都財智の商標権侵害と権利濫用を認定

2021-08-31

  事件の経緯:

  金蝶公司は第1505793号商標「 」、第26760297号商標「 」、第4362974号商標「 」、第28658925号商標「 」、第18790329号商標「 」(以下、それぞれ「本事件商標1~5」と称する)を保有している。そのうち、本事件商標1は2001年1月14日に登録され、第9類の「コンピュータソフトウエア、記録済みコンピュータプログラム」などの商品への使用が確定した。本事件商標2は2018年10月14日に登録され、第9類の「ダウンロードできるコンピュータアプリケーション、コンピュータプログラム」などの商品への使用が確定した。本事件商標3は2008年1月14日に登録され、第16類の「紙、印刷された出版物」などの商品への使用が確定した。本事件商標4は2018年12月21日に登録され、第16類の「紙、台帳、帳票」などの商品への使用が確定した。本事件商標5は2017年2月7日に登録され、第16類の「紙、印刷用紙、台帳」などの商品への使用が確定した。

  2008年4月7日、黄洋氏は金蝶公司と「金蝶員工入職声明(金蝶社員入社声明――訳注)」を締結し、その後、同社の西部地域の総監(主任――訳注)として購買・物流、成都市の直販業務を担当した。2012年7月2日、財智公司が設立され、事業範囲にはオフィス用品、文房具の販売、コンピュータソフトウエアおよびハードウエアの研究開発や販売、技術サービスなどが含まれる。2013年7月5日、黄洋氏は金蝶公司を退職後、財智公司に入社した。2013年1月1日、財智公司の申し出により、金蝶公司の授権を経て、財智公司は成都地域における金蝶関連製品の金牌協力パートナーとなり、それは2014年12月まで続いた。2015年3月、金蝶公司は商標「金蝶妙想」の使用を開始し、2015年6月までには商標「金蝶妙想」はすでに会計ソフトウエアや会計伝票の商品分野で比較的高い知名度を持っていた。2015年8月12日、黄洋氏は財智公司の100%の株式を保有する支配株主となり、法定代表者を務め、本事件の提訴・受理後に交代し、本事件の審理では財智公司の社員として訴訟に参与した。

  2015年初頭、財智公司は授権終了後も会計ソフトウエアや会計伝票の商品分野で経営活動を継続し、引き続き金蝶ソフトウエアやそれに付帯する伝票を販売した。販売する会計伝票商品上ならびに宣伝・プロモーションにおいて「金蝶対応」の表示があり、また「金蝶」、「Kingdee」マークを目立たせるように使用した。その後、財智公司はさらに2015年11月と2017年11月に相次いで第16類、第9類、第35類の商品にそれぞれ第18233177号、第18233130号、第27329567号の商標「金蝶妙想」を出願した。そのうち第18233177号商標「 」は2016年12月14日に第16類の「紙」などの商品への使用で登録され、他の2件の商標は異議手続き中に国家知識産権局により《商標法》第15条第2項の規定に違反すると認定され、登録が認められなかった。2017年12月8日、財智公司は悪意をもって取得した商標「金蝶妙想」を利用して、金蝶公司の商標「金蝶妙想」に対し、無効審判を請求し、かつ「京東」プラットフォーム上で金蝶公司の経営する店舗に対し、店舗内の複数の場所で「金蝶妙想」を使用していることが自社の第18233177号商標を侵害しているとの悪意のあるクレームを行った。金蝶公司は2017年12月22日に「商標申訴書(商標権侵害申立書――訳注)」を提出し、京東プラットフォームに向けて答弁を行った。その後、財智公司により権利の根拠とされていた第18233177号商標は、金蝶公司の申立ての結果、2018年2月6日に国家知識産権局により無効が宣言された。

  金蝶公司は財智公司の上述の行為が自社の合法的な権益を侵害したとし、集佳に依頼して2020年7月に財智公司を商標権侵害と不正競争の理由で提訴し、事件は四川省成都市中級人民法院に受理され、2021年7月20日に結審した。

 

  法院の判決:

  審理の結果、成都市中級人民法院は2021年7月20日に本事件の判決を下し、財智公司に下記を命じた。

  1.上述の5件の登録商標の権利を侵害するマークの使用を直ちに中止する。

  2.第1505793号、第26760297号の登録商標の権利を侵害する会計ソフトウエアの販売を直ちに中止する。

  3.経済損失130万元を賠償し、正当な経費3万7,026元を支払う。

  4.『深セン晩報』、『成都商報』上の目立つ場所に声明を連続7日間掲載し、京東の「財智表単旗艦店」の目立つ場所に声明を連続30日間掲載し(声明の内容は本法院の審査・承認を必要とする)、影響を除去する。

 

  注目ポイント:

  本事件の典型的な意義は、主に「『不正競争防止法』第2条による商標権濫用行為の規制」と「商標の合理的な使用に関する裁定規則」の2点にある。

 

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